パリ

小説家たちのサン・ジェルマン・デ・プレ

2015年8月20日、21日




サン・ジェルマン・デ・プレ教会
サン・ジェルマン・デ・プレ広場から歩き始めました。
今回の街歩きは小説家が暮らしたアパルトマンや彼らが交流したカフェを探しました。

途中、カフェで休んだりしましたが、最後の奇跡のメダイ教会を見学し、ル・ボン・マルシェまで約6時間の街歩きとなりました。



ヴァラス給水泉
サン・ジェルマン・デ・プレ広場にある給水泉。
1800年代後半のプロシア包囲で起こった水不足に対応するために建設されたようです。




サルトルのアパルトマン
広場に面して建っているアパルトマンに、1946年からサルトルは住んでいたそうです。その後、テロリストにアパルトマンが襲撃されたのを潮にモンパルナスに引っ越したのは1960年代の初めです。



セルジュ・ケンズブールの家
サルトルが住んだアパルトマンから北に行くとジャコブ通りに突き当たります。そこを西にパリ第5大学まで行き、四つ角を北に行くと、セルジュ・ケンズブールの家です。

静かな通りにハデハデな落書き。ケンズブールらしさがあります。



サン・ジェルマン・デ・プレの交差点に戻る!


レ・ドゥ・マゴ


カフェ・ド・フロール


1940年代に実存主義者のたまり場となったカフェ。
1995年に「黄落」でドゥ・マゴ賞を受賞した佐江衆一氏も
ここを訪問したのだな。


ボーボワールやサルトルが小説を書いたカフェ。
日本人のギャルソン、山下哲也氏が働いている
(アゴラ 2013年11月号)



ブラッスリー・リップ
ヘミングウエイはよくランチに通っていたとのこと。

ゴンクール文学賞の受賞者はこのテラス席に予約なしで座れるそうな。すると1978年にパトリック・モディアノも、1984年にデュラスも、2013年にはピエール・ルメートルもこのカフェに来たのだな。



サン・シュルピス教会とその広場へ
サン・ジェルマン・デ・プレ広場周辺にあるカフェを見たあと、南へ。市場の裏手にあるサン・シュルピス教会へ。ここまで来ると静かだ。



カフェ・ドゥ・ラ・マリー
サン・シュルピス教会の脇にあるカフェ。ヘンリー・ミラーの「北回帰線」では、このカフェで教会の鐘の音を聞くシーンを登場させている。

時は違っても、ヘンリー・ミラーと同じ景色を見たと思うと、感動のあまり涙が落ちてきた。しばらくカフェの影に佇み、ハンカチを目に当てる。

ヘンリー・ミラーのほか、ヘミングウエイ、フィッツジェラルド、フォークナーなどが通ったカフェだ。

カフェの脇から見た教会



フィッツジェラルドのアパルトマン
更に南下し、リュクサンブール公園の裏手に出る。地図を片手に建物を見ていると、紳士に「お助けしましょうか?」と話しかけられた。
「フィッツジェラルドが住んでいたというアパルトマンを探しているんです」
「あらら、パリについてはあなたの方がよく知っていますね」

1928年、フィッツジェラルドがすごしたのは4階の部屋。



ヘミングウェイのアパルトマン


フェロウ通りに入るとすぐにヘミングウエイが、1927年から
1930年まで過ごしたアパルトマンがあった。
彼はここで「武器よさらば」を書いたのだな。



トゥルノン通りへ

リュクサンブール公園の裏手。すぐ先にオデオン座がある。
リチャード・ライトやボールドウィンが住んでいた通りだ



カフェ・トゥルノン
アフリカ系アメリ人作家のリチャード・ライトやジャームス・ボールドウインたちが集まったカフェ。店の前に立って、アメリカは住み辛かったのだろうと想像する。

ライトの「アメリカの息子」は強烈な作品。白人に使われている黒人の苦しい息遣いを思い出す。



金子光晴が森三千代に会いに来たたホテル!
森三千代が滞在していたホテルに、南周りの船で金子光晴がやってくる。金子はドアを開けようとするが躊躇する。妻が男と一緒に寝ているかもしれないのだ―(ねむれ巴里)。

そのホテル!

有名作家も住んでいた!



サン・ジェルマン大通りに戻る!



ビュシ通り
サン・ジェルマン大通りに戻り、若者たちで賑わうビュシ通りに出た。
この通りは昼よりも夕方から賑わうらしい。

時は夕方。人々が行きかう。カフェも客で賑わい始め、レストランの準備も始まった。



ランボーの家

ビュシ通りを北に歩いて行くと、ランボーの家を発見。

この一帯は歴史地区になっているようだ。



ビュシ通りに近い地下鉄駅、オデオン駅からセヴェール・バビロン駅にでる。
奇跡のメダイ教会を見つけるのにて時間をくってしまった。教会らしくないからだった。

もう、夜。
すぐ近くにあるル・ボン・マルシェで買い物をして、街歩きを終えた。




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