ベルリン 冷戦の腐臭 @東ドイツの国家保安省本部(シュタージ)跡と 秘密警察特殊刑務所跡 2012年8月11、12日 旅行期間、2012年7月22日〜8月17日 |
|
朝食、アレキサンダー広場 |
|
Uバーンでアレキサンダー広場に出て、朝食。 屋外でコーヒーとパンを味わう。気持ちのよい朝だ。 |
|
東ドイツの国家保安省本部跡 |
|
アレキサンダー広場でUバーンに乗り、Magdalenenstrabeで下車。階段を上がると、目的地、旧国家保安省本部(シュタージ)への方向板があった。 いかにも共産圏らしい何の説明もないビルが旧国家保安省本部のビルだった。茶褐色で13階建てのビル。なんだか工場の廃墟に足を踏み入れたような雑然とした感じがする。ところがここは秘密警察の本部だったところ。殺風景な建物こそ、重要な意味を持つ。 |
|
東ドイツの強圧的な政治を実行する象徴的なビル。密告制度の大元締めだ。現在はその犯罪を人々に知らしめるために公開されている。 | |
入口を入ると当時のポスターが貼ってあった。 下の写真はカメラ、ゴム印。やはり文書の国だ。 展示品はあまりない。巨大な建物と机、椅子がある程度だ。 国家保安省本部が集めた個人情報は、「シュタージ文書管理局」を創設し、アレキサンダー広場の近くにある施設に保管されていて、自分の情報は閲覧できるらしい。 |
|
大臣執務室 |
|
大臣執務室には金庫、書庫がある。ここに重要書類が詰まっていたのか。 奥の部屋にはシャワーを使える仮眠室、キッチンもそろっている。部屋自体は華美にならず、極めて質素だ。 |
|
大臣の巨大なデスクの前は、会議卓とソファ。ありふれた風景だ。日本のお役所もこんな風なのか。 レーニンのデスマスクがあるはずだがと守衛に尋ねると、2年前に盗難にあったとのこと。 |
|
レーニンの像が置かれていた。 |
電話機は特定の人物とのホットライン |
大臣室から見える敷地 |
|
この無機質なビルは東ドイツの人々を恐怖で支配した本部でもあったのだろう。大臣室から東ベルリンを眺めながら、大臣は何を考えていたのだろうか。 | |
昼食、アレキサンダー広場 |
|
百貨店、ガレリアにはセルフサービスで美味しいと評判のレストランがあると聞いた。料金は重量で計算された。面白いレストランだ。 テーブルはアレキサンダー広場を見下ろせ、ほとんど満席状態だった。 アレキサンダー広場は何となくダサく、人で溢れていて、上野か浅草の雰囲気た。今度、ベルリンを訪問する機会があれば、アレキサンダー広場にあるホテルに宿泊してみたい。 |
|
東ドイツの秘密警察特殊刑務所跡 |
|
Landsberger Allee駅へ |
|
SバーンLandsberger Allee駅 |
SバーンのLandsberger Allee駅プラットホーム |
Genslerstrabeへ |
|
Landsberger Allee駅でトラムに乗り換える。 |
東ドイツの色彩の濃い地区に入った。華やかな西ドイツの通りを見慣れた目には、少々生活に疲れた人々が住んでいるように見受けられた。 それは小柄な東洋人が疲弊した表情で歩いていたり、酔っ払いがいたりしたからだろう。 |
トラムでGenslerstrabeに到着 |
停留所でトラムを降りると、東欧の一地方都市といったうらぶれた風情の通りになる。さて目指す方向はどちらかと、しばし考える。太陽が容赦なく照りつけ、眩しい。 |
秘密警察、特殊刑務所を示す案内板 |
こんな静かな通りを歩く。 |
東ドイツ時代の工場跡 |
静かな住宅街を歩く。写真左の古い建築物は東ドイツ時代の工場跡。歴史地区に指定されていて、当時のままに保存されている。 |
秘密警察特殊刑務所跡 |
|
この特殊刑務所は1945年に設置された。当初はナチス関係者を収容。やがて、シュタージはソ連からこの施設を引き継ぎ、政府に批判的な勢力を逮捕し、ここに収容した。 見学はドイツ語と英語で行われていた。1日数回しか見学できない。 |
|
逮捕にやってくる自動車 |
|
夜半、シュタージは一般の人の家に、この車でおしかける。この自動車が家に来たら、一家は一巻の終わり。内部は尋問室のようになっている。 | |
独房 |
|
独房が並んでいる。 |
独房を覗く穴 |
窓がない部屋。とても意気苦しい。 ベッドの脇にあるバケツは便器。 |
ムンクの「叫び」のようにペイントされた部屋。 数分見ているだけで、意気苦しくなってくる。 |
監視部屋 |
|
政治犯を連行する自動車から、自白部屋、監視部屋に至るまで合理的にシステム化されている。 | |
増設された独房 |
|
寝そべって記念写真を撮る人も |
リノリウムの床。日本でも使っていたな。 |
ドアには小さな監視用窓がある。 |
覗き穴から見た独房 |
刑務所長の部屋 |
|
ここにも鉄格子 |
何でも触ってみる若者 |
運動場 |
|
運動場は10人も入れないほど狭い。天井には金網。東京拘置所と同じ。 | |
監視塔 |
|
■ 西ヨーロッパ旅行記 目次 | |