上海

虹口:魯迅が暮らした日本人街 


内山書店跡から魯迅故居まで

2011年12月29日、30日



多倫路文化名人街


内山完造が和服でお辞儀をしている銅像
東横浜路からすぐ多倫路文化名人街になる。このあたりは、1920年代から1930年代に活躍した魯迅、秋白、郭沫若、内山完造たちが暮らした地域だ。

当時の街並みを再現した建物や文化人の銅像がある。


魯迅と記者たちの銅像
魯迅の左の銅像は魯迅記念館に行くと、人形になって飾ってあったり、写真となっている。

多倫路文化名人街は多くの店が閉まっていて、いまひとつ活気がない。寒いのでコーヒーを飲もうかと思ったのだが、そんな店もない。





魯迅の小説、「孔乙己」に登場する咸亨酒屋

魯迅の小説にでてくる酒屋は改築中だった。
地図を片手に、人に尋ねたりしたのだが見つからなかった。それもそのはず、店は改築中。道路を挟んで、店の反対側には高級ホテルがある。



内山書店跡

真ん中が内山書店跡
多倫路から四川北路に出て、北に向かう。道は緩く曲がり、内山書店が見えてくる。この辺りは食堂や洋品店などが並んでいて賑やかな通りだ。

内山書店のあとは銀行になっている。
2階に展示室があって、日本の作家が内山書店を訪問したときの写真も残っている。


内山書店跡、プレートが貼ってある。
ここで昼近くになった。内山書店から魯迅旧居まではそう遠くはなさそう。
「ここらでいいレストランあります?」
中国人に尋ねると、150元くらいで美味しい貴州省の料理が食べられますよとのことだった。その店まで案内してくれたが、1人、150元ってやはり高い。
1階にピザハットが入っていた。中を覗いて見ると、客はひとりもいない。これではおいしそうではない。

「違う店をみつけよう」
そう思いながら歩き続ける。

魯迅と内山完造

銀行に来た人たち



魯迅が住んだラモス・アパート
このアパートには魯迅が1933年から1936年まで住んだ。東横浜路、景雲里の次に住んだところだから、かなり財政的に豊かになったのだろう。彼はこのアパートの3階に住んでいたらしい。内山書店のまん前で、チンチン電車が走っていた。そんな時代だ。

このアパートは現在も使われていて、内部をみることはできなかった。

高級アパートと言った風情



旧知恩院
ラモスアパートの数軒先には、「孔祥熙邸」がある。もとは知恩院として使われていた建物だ。

この裏側には、お洒落な「コアラ・ガーデン・ハウス」とカフェがある。ここに宿泊して虹口を散歩するのもいいかもしれない。ただ、はちょっと高いホテルとカフェだ。コーヒーが30元近くした。

シルクロードを髣髴とさせる建物だ。



鴻徳堂
知恩院の裏に回ると、教会があった。虹口で始めて見る教会だったので珍しかった。



日本陸戦隊本部跡
四つ角には旧日本陸戦隊本部跡の建物が鎮座している。四川北路にはこのように多くの日本関係の建物が残っている。



山陰路

山陰路

途中にあったアパート
内山書店跡まで戻り、山陰路に入る。住宅地だったようだ。道路の両側に並木が植えられている。

この辺りは高級住宅地になり、吉行エイスケの家もあったところだ。家までは分からないが、彼の家は山陰路、魯迅故居の前らしい。



魯迅故居

山陰路に面した入口
山陰路をしばらく歩き、学校が現れる。右側に魯迅故居という看板が下がっていた。

切符を購入して中に入る。魯迅はここで最期まで暮らした。係員の女性が英語で一所懸命に説明してくれる。

一帯は高級住宅地だし住居は3階まであり、一見して最高級の生活空間だと分かる。水洗便所までついているのだから。最初に住んだ東横浜路のアパートとは段違いのよさだ。、



奥が魯迅故居
魯迅の書斎にある机などを見て回る。机の上には文具がそのまま置いてある。案内人は質問にも丁寧に答えてくれる。中国人は見学していても、さっと見て出て行ってしまう。

ベッドは思いのほか小さい。魯迅って、小柄だったのだろうか。聞くのが憚られた。



魯迅記念館へ

魯迅記念館へ行く途中


魯迅記念館入場券



昼食

午後2時近く
魯迅故居の前に繁盛している食堂があった。人が群がっているので、記念館を訪れてからこの食堂で昼食を摂ることにした。

午後1時30分。戻って見るとまだ数人並んでいる。ここで注文したのは、
小龍包
マーボー麺。
どちらも絶品だった。小龍包は、あちち、フーフーと言いながら流れ出そうとする肉汁を口の中に啜る。それで、またアチチ。

昼は数品しか販売していなかった。
マーボー麺。運ばれてきたときは、美味しいのかなと首をひねった。かき混ぜて食べるのだよ、と教わり一口。ぴりりとした辛さがほんのり。抜群の美味さだった。全部で19元。幸せだ。

小龍包

スープがついてきた

マーボー麺。こんな形で出てくる。→

かき混ぜると絶品となる。

お客さんたち
お客さんも親切で、美味しいか? と聞いてくる。
マーボー麺はこうかき混ぜるんだよ。美味しいという表情をすると、客は満足した様子だ。なんだか友達と食事をしているような気持ちになってくる。




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