長春

鉄道(ハルビン〜長春)
長春市電       


2010年9月23日



ハルビンから長春、硬座
ハルビン・長春間は約3時間。硬座で20元(300円)だ。中国の公共料金はとても安い。

車内は満員だった。向かいは秦皇島へ遊びに行くという若者たちだ。秦皇島へは行った事があるので話が弾んだ。
「あなたはどんな仕事?」
「俺は社長だよ」
あどけない顔をした若者が得意そうに言った。
若者はヒマワリの種をわたしに差し出す。お返しに、ハルビンで買った栗を広げた。食べながら、楽しい時間がすぎていく。

長春に到着して、窓の近くで手を振る。若者が窓に顔を寄せて、大騒ぎになってしまった。彼らはまだまだ列車の旅をするのだ。ほんの3時間前に知り合った若者なのに、人情が移ってしまった。いっしょに旅をしたいなと思う。
← 秦皇島へ行くという若者



長春駅到着

長春駅前、旧ヤマトホテルから撮影
地図を見ながらホテルまで歩く。タクシーが寄って来る。
客引きも、何かしきりに話しかける。彼らを避けながら、バスや自動車もついでに避けながら道路を渡る。命がけだ。何もかも無秩序だ。

13億人を統制するのは難しいことなのだな。でも、人間優先で動くのは基本的なことで、徹底すべきだと思うのだが……。




長春客運賓館

宿泊したホテル
ホテルは180元(2700円)。駅前で交通の便がいい。フロントのお嬢さんの英語はおぼつかないが、一所懸命に話しかけてくる。
「地図だけど、どこで買えるのかな」
尋ねると、ポーターがドアの外に走り出した。

息を切らせて戻ってきた若者は、わたしに地図を差し出す。
「いくら?」
いいです。そんな風に手をふるのだ。たぶん、3元(45円)程度のものだが、その気持ちがうれしい。

ホテルは駅前にあった。
部屋に荷物を入れたあと、ロビーに行くと、その青年がにこっとする。
「先ほどはありがとう」
そっとチップを渡す。
こんな出来事があると、長春という都市が好きになってくる。中国人、ひとちひとりはいい人たちなんだな。気持ちがほぐれていく。



日本関係記事、ホテルにあった新聞



長春軽軌3号線

長春駅
観光には、時間が中途半端だ。真っ先に、ラストエンペラーの偽満皇宮に行きたいのだが、閉館間近に飛び込んであわただしく見学するのももったいない。翌日、朝、一番で訪問することに決めた。

市内電車に乗ってみることにした。 長春の駅から出ているのだが、そこに行き着くまでには大きな道路を2本渡らなければならない。これが大問題だ。通行人のかげに隠れて、ようやく渡れた。

長春駅の脇から乗車し一度、市電54系と交差する寛平橋で下車する。料金は2元から4元まで。終点は長影世紀城である。標準軌でゆったりして清潔だった。


途中の駅にて
電車は鉄道線路に沿って走る。古びたアパートの脇を電車は走る。やがて、発電所があり、南湖という名のついた駅をすぎた。1ヵ月前、金正日が滞在したホテルのあるところなのだろう。




← 長春軽軌3号線



寛平橋付近、長春市電54系
寛平橋で市内電車54系統が長春撮影所の方からやってくるのを待つ。古めかしい車体だ。

踏み切りを近郊まで行くバスが渡っていく。ティッシュ配りのお嬢さんが真剣なまなざしで、通行人に手渡していた。


帰りも満員だった。電車は新型で、車内はきれいに掃除されている。ただ、携帯電話で大声で話す声が響いている。



長春駅に戻る

自動改札である。




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