カントー

メコンの水上集落

2009年3月16、17日

カントーにて



2009年3月16日

サイゴンに来てから今日で4日目。
カントー行きのツアーの料金を調べてみた。体調がイマイチなので、ガイドと運転手とワタシだけで行こうと思った。車は乗用車、ホテルはメコンデルタを望める四つ星ホテル。料金は250米ドルだと、ある旅行会社は言う。団体の日本語ツアーという手もある。日本人相手だとそれなりによい車、日本語を話すガイド、ホテルもほどほどだ。料金は98米ドル。もうひとつ、外国人と一緒のツアーもある。これはピンキリだが、最も安いのが25米ドル。これでホテルに宿泊させてもらえるし、昼食と朝食もついている。

体調が悪くても、25米ドルのツアーには勝てません。豪華絢爛個人ツアーの10分の1、日本人ツアーの4分の1の価格なんだから。
タクシーでデタム通りのツアーデスクへ。タクシーはドンコイ通りから28000ドン、160円。ちょっと高い気がした。寒気がするので、戦う気力もおきない。

ツアーデスクは各方面へ行く観光客でごったがえしていた。こぎれいな服装の日本人ツアー客もいる。大きなカメラを抱えている。彼らは高級車に乗ってどこかに行ってしまった。ワタシ?溜息をついて見送る。


バスが発車して10分ほど走った。ガイドが、「体調の悪い人は、サイゴンに戻って休んだ方がいい。昨日もバスを降りた人がいます。ここなら、まだ戻れますよ」
寒気がして震えながら、ガイドの話を聞いている。ますます気分が悪くなる。1時間半走り、ドライブインでトイレ。そこで出すものを出して、また走る。
ミトーに到着したのは午前10時30分だった。





ミトーにて

これから船に乗り、ミトー見物だが、ふらふらする。歩けない。
川岸で見送る。ひとめぐりして、1時間程度で戻ってくるのかと想像した。大型バスが次から次へと到着し、ボートに乗っていく。
川岸で待っていれば戻ってくるだろう。


ミトーの船着場

  路上カフェでお茶を飲む

   ベトナム人の飲料



発車して10分ほ石造りのベンチに腰をおろしていたが、耐えきれなくなり横になった。木陰にあるベンチだが、葉がまばらだ。直射日光が照りつける。日蔭の多いベンチはベトナム人に取られてしまっている。だが、目をあけていらないほど衰弱している。そのまま、昏倒してしまった。

顔に太陽が当たるので気がついた。まだ、30分しかたっていない。近くに路上カフェがあったのでペットボトル入りの冷たいお茶を買う(10000ドン、60円)。ベンチで飲むと砂糖入りのお茶が喉を通っていった。もう昼近くだ。もう、ボートは戻ってくるだろう。そうすれば、冷房の利いた椅子に座れる。しかし、だれも戻ってこない。体は重く、頭もぼんやりしている。暑さでぼんやりするのは仕方がないのだろう。まるで熱気を吹きつけられるようだ。瞼が下がっていく。

長くは路上カフェにいられない。
木の下に倒れこむ。また、昏倒してしまった。
暑くて目が覚める。まだ、1時だ。
「そんなところにいると体を壊すよ」
そんな風に言われたような気がした。目を開けると、路上カフェのおばさんが覗き込んでいる。
「こっちで休みな」
ベトナムで初めて優しい言葉をかけられた。よたよたと路上カフェまで歩く。
「3時まで、帰ってこないよ」
「えっつ、そうなんですか?」
まだ、1時半だ。
「食事をしたのかい?」
「いえ、まだです」
優しい言葉に、涙が出てきた。



ミトーツアーの様子

以下は、ツアー参加者が撮影したミトー様子です。





一路カントーへ

ミトーからバスに乗る。やっと冷房あるところで落ち着いた。
バスはフェリーに乗り、対岸に向かった。いよいよカントーだ。
ホテルに到着するや、ベッドに倒れこんでしまた。一日、お茶を飲んだだけだった。





2009年3月17日

体調はかなり回復している。
やはり若さだろう。熱帯地獄の中でも生きられそうだ。朝食は1階である。夜はチェックインカウンターがあり、オートバイの駐車場になったり、朝は食堂になる。




ホテルの前で運転手がバスを
掃除していた。

朝食。パンが美味しい。




カントーへ

ツアー客はボートに乗り、メコン川に入っていった。
舟が集まっていて、巨大な塊となっていた。近づくにつれて、人々の生活が舟を利用して行われているのが分かる。大きな舟は野菜や果物を卸す。中規模の舟はそこから商品を買う。小舟は自分用や小売用の野菜を買う。周囲にはカフェ舟まで出没する。煙草などを売る雑貨舟もあり。パンを売る舟もあった。この水上マーケットは、今まで見たうちで、最も巨大で生活感のあるものだった。来てみてよかったと思う。



棒に野菜をくくりつけているのは、売っている品物

キャベツだろうか

雑貨売リ

よく落ちないものだ



1960年代後半のシンガポール、香港には水上生活者が密集していた。そして1970年代のバンコクの水上マーケットもよかった。彼らは、現在、陸にあがってしまっている。ここカントーはその光景が昔のままに残っている。

ベトナム人は観光客を一瞥だにしない。観光客を尻目に、水上で自分たちの時間を過ごしている。ここいらがタイの水上マーケットとは違うところだ。





メコン川も海に近くなると、流れが緩やかになる。ゆっくりと時間をかけて流れていく。
シプソンバンナからタイのチェーンセンまでメコン川を下ったのは2年前のことだった。急流を船はすごいスピートで流れていく。それでも貨物船で2日かかる旅である。そして、10日ほど前にはルアンプラバンでメコン川を見た。

今、海に注ぐメコンの上にいる。その流れはずいぶん違う。激しく流れていた水も、ゆっくりと、ゆっくりと漂っている。




スイカ

スイカを売っているという標し

子供は可愛い

賢そうだ




メコンデルタ、支流へ

ボートは支流へ入っていく。簡単な橋が架かっていて、上をバイクが走っていく。その支流も分れて、細くなっていく。水路が重要な役割をしていたことがよく理解できる。

洗濯をしていた

木陰で孫と遊ぶ


ライスペーパー工場を見学した。ひとつひとつ手作り。時間も手間もかかる。




カントーでの昼食

ホテルに戻った。昼食は豆腐入りの汁ソバと汁なしそばを頼んだ。ついでに、果物も。60000ドン、360円だった。量が少ないので、これくらいは食べてしまう。

豆腐入りの汁なしそば

豆腐入りそば

宿泊したホテル

昼食の果物




フェリー乗場にある市場で!


スイカを売っていた

りんごは中国からの輸入品

このパンがおいしい
フェリーは数隻が対岸との間を往復していた。オートバイ、自動車、人間などでごった返していた。そこに市場があり、果物などを売っていた。




フェリーでメコンを越える

交通事故を見た。ベトナムでは一日、交通事故で40人が死亡するのだと言っていた。短期間の旅行だが、事故を何度もみた。それほど多いのだ。


数隻が慌ただしく行きかっている

排気ガスで窒息しそう

フェリーから下りる

サイゴン近郊で事故



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