2009年3月12日


朝、ホテルの窓から見た通りでは路上レストランが開店し、客が食事をしていた。風呂屋で使うような小さなプラスチックの椅子とそれに合うテーブル。朝の涼しい空気の中で、美味そうだ。

ゆっくり寝たのだが、体がだるい。ベトナムの炎天下の道を迷い、野菜で腹を壊したつけがでてきているのか。足の甲は虫さされで膨れている。軟膏をすり込んでなだめておく。靴を履けないので、ゴムサンダルで1階の食堂へ。朝食込みの宿泊料、ビュッフェ方式だから気がねなく食べよう。それだけで、このホテル、「Thanh Binh 3」を気に入ってしまった。


路上レストランで


路上レストランのオーナー

ホテルの窓から

ホテルの朝食



街歩きへ

先ずはチケットを購入する。7万5千ドン、450円だ。
「負けてくれる?」
「ノー、ここはフィックスト・プライス」
窓口の女性と戦う。米ドル払いが得か、現地通貨払いの方がいいのか、暗算をしているうちに、ガイドに連れられた日本人の中年夫婦が、さっとキップを買って行ってしまう。この人たちは計算しないのか? スマートな買い方だなあ。しばし、尊敬するのだ。こちらは、ベトナムの「ぼられ病」にかかり、半信半疑で歩いているのに、向こうは「言い値」ですぐ支払っている。


旧市街への入場券
その上、こちらはガイドもいない。足元はゴムサンダル。その上は短パン。足だって短い。その上はTシャツ。

この切符は古い家や博物館などに入場できる。4箇所入場できるそうだ。入場するごとに、左のピラピラを切っていくことになっている。

さて、サンダルもぺらぺらさせ旧市街に入ろう。


旧市街は道路を拡幅したので、道路側の建物がスパッと切り取られている。2階からながめるとよく分かる。そこに中国風やフランス風の家々が並んでいる。家に入っていくと、中庭があり先祖がまつられている。
「この家はなあ、チク350年だよ」
おじいさんが自慢している。
「おいらだって、チク○十年だもん」
外は暑いのだが、家の中は涼しい。ずうっとここで休んでいたくなる。

旧市街の通り

中庭もある


ナントはなしに「日本橋」まで歩いてしまった。
観光客がぞろぞろと歩いている。日差しが強く、どこかで休みたいと思う。そこを日傘をさした民族服の2人連れが堂々と歩いてゆく。男性は化粧までしているのだ。

昨日のことも思い出す。民族服の女性がゆっくりと堂々と歩いていった。このヒトたちは何なのだろう。ホイアンの観光に一役買っているのか?


日本橋

日本橋に掛っている額



イエロースター・カフェ

歩き疲れた。四つ角にある「イエロースター・カフェ」でコーヒーを注文した。
しばらくたって出てきたのは、どろっとしたコーヒー。濃縮し、濃縮し、濃縮しつくしたようなコーヒーだ。一口飲んで、ペットボトルの水を飲む。胃壁がただれそうだ。コンデンスミルクを入れる。飲んでみる。すぐに水を含む。まだ、ミルクが足りない。どんどんミルクを入れる。

暑い! 日蔭なのだが、暑い。歩く人もいない。
そのうちに腹が痛くなってきた。2階のトイレに。戻って、しばらくすると、また、トイレだ。コーヒーがいけなかったのか。それとも、ミルクか。あのミルクは古かった、ようだ。代金13000ドン、80円を渡し、急いでホテルに戻った。

この店のコーヒー、ミルクがいけない



昼食は、ホテルの近くで。

ホテルで休み、体調もよくなってきた。
外国人が食事をしていたので、レストランに入った。ここは英語のメニューがあった。フォーと汁なしそばを頼んだ。45000ドンだ。これは高い。270円もするのだから。露店レストランなら30000ドンというところだろう。


フォー

汁なしそば

外国人が食事をしていた

暑そうだ



街歩き、再開

ホテルで自分あてに絵はがきを書く。送るヒトがいないのだ。それを持って、郵便局へ行く。昨日、間違った道に現れたからよく分かる。膨れてしまった足の甲、ごろごろするお腹をだましだまし歩いた。ゴムサンダルにも慣れてきた。だが、暑い。郵便局で絵葉書を出す。言い値で払っておいた。


旧市街で

土産物屋で

こんな路地があった

写真を撮る観光客

お参りにきた老夫人

寺にて
旧市街を歩く。寺に「杉良太郎」というひとの名前の入った碑があった。寺の中に入ると涼しく、椅子に腰をおろしてぼんやりとしてしまった。



市場から船着場へ

まだ歩いていない一角を目指す。
すると市場に来てしまった。混雑していて、通り過ぎるのに、体をよけなければならない。テントの下を歩いていたのだが、どうにもおっくうになってしまった。靴屋がずらっと並んでいる。その先を歩いていくと、橋にでた。堤防を白人がジョギングしている。この暑さのなかで! いったいどんな人物なのだろうか。

靴屋が並んでいる

おばさんたち



船着場の見える露店カフェで!

店のおばさんに誘われるままにカフェに入ってしまった。白人も入っているので、価格も問題ないと思った。船着場が見える一等地である。そこでコーラ(7000ドン、40円)を頼み、また、ぼーっとする。疲れて、ほとんど歩くのが嫌なのだ。

露天カフェで飲んだコーラ



自転車や荷物を乗せて渡し舟が出ていく。舟がやってくる。飽きもせず、そんな光景をみている。隣の白人のカップルもけだるそうに見ている。



「Dung」での夕食

このレストランに到達するのに、多くの人に場所を尋ねた。
その甲斐あって、やっとたどり着いた。先客はベトナム人が6人ほどで食事をしていた。こちらは異邦人なので、一応挨拶をしておく。
「おいしい?」
「うまいさ」
この程度だ。

この店は、「地球の歩き方」に掲載されている。それでやってきた。
メニューを見て、コム・ガー、揚げワンタン、お茶を頼む。ここらにくると、コム・ガーくらいは理解できるようになってきた。コムはご飯、ガーは鶏肉だ。

コム・ガー

揚げワンタン

生姜いりのお茶
お茶は生姜が入っていて、蘇生する。
さて食事だ。手羽焼がおいしい。揚げワンタンも味が染みていて、食欲をそそる。

でも注文しすぎた。それにベトナムのご飯はくず米のようで硬い。まあ、清潔なレストランだが。

さて、会計です。
14万ドンだと言う。
「そんなはずはない。このコム・ガーはいくら?」
一皿ごとに料金をチェックする。どうもメニューと異なる料金だ。

「メニューを見せて」
メニューと注文した品を確認する。違う。足し算も違うし、何もかも違う。
「11万ドンですね」
「はい」
えっ、正しい料金を知っているのならば、最初からそう言えばよいのに。

ガイドブックに掲載されているレストランだからと言って、何から何まで信じてはいけません。
注文した料理をメモしておかないと、ぼられますぞう。

一日が終わった。このレストランの脇に小道がある。そこを通ると、元横綱「大の国」が訪れた井戸がある。
その井戸を見て、また歩く。暗闇にカフェがある。民家の庭、小さな裸電球の下で何かを飲んでいる。




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