ウルムチ

天池、南山牧場、バザール

もぐり込み、タイ人団体ツアー 「シルクロード 16日間」
 1993年9月21日〜10月6日



天池まで



白い山々が神秘的だ。



天地にて


2日目の午後10時30分にウルムチ空港に到着した。
ウルムチの夜は冷える。

タイ人たちはシャツをズボンの外に出し、その上にジャンパーを羽織っている。下着がはみ出しているようだ。これがお洒落なのだろう。

小さな空港である。やっと、ベルトコンベアーが動き始めた。
「早いな!」
ヨーロッパから来た人が近づく。スーツケースは続々と現れるが我々の荷物は出てこない。空港職員に尋ねると、今、出てきているのは、2時間前に西安から到着した便の荷物だとのこと。
「この空港で下ろす荷物と、その先に行く荷物を振り分けるのに時間がかかるんだよ。分かるよね」

それで2時間! 常識を越えた世界にやってきた。タイ人は待つことにかけては天才である。本を読みながら待つなんて、そんなふしだらなことはしない。しっかりと、本格的に待つ。目をベルトコンベヤーに据え、呼吸するのも面倒くさそうに待つ。

ツアー客のひとり、60歳を過ぎたお爺さんはスポーツ刈りにスエットスーツのままウルムチまできてしまった。彼だって、腕組みをしたまま、じっと待つ。足元には、彼のズタ袋が転がっている。彼はどこに行くにも、この袋を肩に担いでいる。

待つこと1時間30分。全員の荷物が揃う。空港からホテルまでは1時間。もう翌日である。

チャーハンのようなものを売っていた。



南山牧場

「今日はどこへ行くの」
翌日の朝食時に、堪らなくなって尋ねる。
「そんな、日本人はシリアスなんだから」
「ガイドブックを読んでおきたいんだ」
「そんなもの、旅先で読まなくてもいいのに。リラックス、リラックス」
真面目だね。訪問地の知識を得たいんだって。同じテーブルのタイ人に笑われる。
「9時にロビーに集合よ」
「だって、もう8時半でしょ」
「大丈夫でしょ」
「食事のあと、歯を磨きたいし……」
歯を磨くんだって。食事の後に。歯を磨くのは食事の前だよ。ヘンな日本人! また、笑われる。
「それで、今日はどこへ?」
「うるさいわね、どこへでも連れていって案内してやるから。どこへ行きたいのよ」
「博物館とバザール」
「心配しなさんな」


だがタウサー客を乗せたミニバスは違う方へ行く。オアシスを抜け天山山脈に入る。道路はアスファルトだが、穴だらけである。
「こっちに博物館あるの?」
「本当に、この日本人は……」
口でアホと言う言葉を残す。


「ほら、池よ。きれいでしょ」
3時間も走った後、ツアーリーダーは胸を張る。辺り一面、乳白色の霧がかかって何も見えない。

「もう12時ですけれど、昼食は?」
「食べさせてあげるわよ。心配なしよ」
「そこに美味しそうなシシカバブを売っているからさ。食べたくなった。ウイグルに来たからには、ウイグル料理を食べさせてくれるよね」
「うふふ」


こうしてウルムチでは博物館にも、ウイグル料理も食べず、ただただショッピングと漢族の料理を堪能したのだった。



ウルムチ市内

ホテルの前で

人口100万人の大都会。西洋人のような顔つきをしたウイグル人が多い。北京と時差を設けていないので、夜9時になっても夕方のように明るい。



バザ−ルにて



食事です。



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