ストラスブール駅 |
|
ストラスブール駅で朝食 |
「日本で、情報なし」 公共交通機関を使っての行き方は日本で情報を得られなかった。日本語のガイドブックには掲載されていなかったし、英語版のロンリー・プラネットには施設や歴史が数ページ紹介されているだけ。 ブログの旅行記も……ドイツから車で入ったというものだった。 施設のホームページをググってみると、公共交通機関はないと書いてある。ストラスブール観光局にメールを出しても、ホームページと同じ内容の回答が来た。 ストラスブールを本拠地とした日本語観光案内ホームページや日本語可のホームページに照会しても梨の礫だった。 |
コーヒーとクロワッサン |
「観光局で情報収集」 ストラスブールに到着して、すぐに観光局へ。 「ストラスブールから車で行くしかないですよ」 「タクシーだと、いくら位ですか?」 「少なくとも、往復、350ユーロでしょう」 お嬢さんはこう答えた。それで言い方を変えてみた。 「レンバッハ(マジノ線のある小さな町)へは公共交通機関で行けますか?」 レンバッハへ行ければ、そこからタクシーを捕まえられるかもしれない。でも、タクシーがあるかどうか? 「ストラスブールから鉄道でWissembourgまで行ってください。そこからレンバッハまでのバスはここでは分からない」 「Wissembourgからレンバッハまでは、何Kmですか?」 「おおよそ、10Kmね」 そうか、歩いても2時間半で行ける。帰りも歩かなければならないが。 |
ストラスブール駅、反対側ホーム |
観光局でストラスブールからWissembourgまでの時刻表をもらう。びっくり。午前中に2本しかない。 行ってしまえば、何とかなるだろう。ストラスブールから電車に乗った。 |
Wissembourg駅に到着 |
|
終着駅に着いてしまった。さて、どうしよう。 |
写真でも撮るか。 |
どうしようかなと思いながら、駅舎を出る。 バスが止まっている。 「Four a Choux へ行きますか?」 「行くよ」 オー、何たる幸運。 「発車時刻は?」 「5分後だよ」 「Four a Choux で下ろしてくださいね。帰りのバスの時刻は分かりますか?」 「これだよ」 時刻表を見せて、説明してくれた。「いいかい。午後は1本しかない。3時56分発のバスがある。これを逃したら、歩いて帰らなきゃならないよ。分かった?」 「分かりました」 「3時56分発のバスだ。歩いて帰るようなことにならないでね」 |
|
国境に向かって進むバス! |
|
畑の中をバスは進んだ。 乗客はワタシ、1人。タクシーと同じじゃないか。それで2ユーロだなんて。気持ちに余裕が出てきた。 |
|
Four-a-Chauxのバス停に到着 |
|
20分でバス停に到着 |
標識が出ていた。バス停から歩く。 |
Four-a-Chaux |
|
戦車が待っている。 |
ここに案内窓口がある。 |
地下要塞見学(7ユーロ)は英語とフランス語グループに分けて行われた。 ここは案内所からしばらく歩いた高台にある入口。両脇には対戦車砲、機関銃が備えつけられていた。下の写真はその跡。 厚い扉を開けて、中に入る。ひやりとする。すぐ脇には昔のままの空気清浄装置が作動している。当時のハイテク機器かもしれない。 |
|
地下道 |
|
地下通路、両脇に部屋がある。 |
小型運搬車の線路が走っている。 |
巨大な地下要塞を構築したものだ。 |
インクライン |
要塞内は13度。 内部は寒い。13度だとのこと。寒いのでジャンパーを着る。 直線の廊下は長い。両側には指令室、兵士の部屋、食堂、病室、弾薬庫などが揃っていた。巨大な要塞の内部を歩いて見学。時間は1時間半だった。 |
|
兵士のベッド |
|
砲台跡 |
|
地表に出ている砲台跡 |
宮崎監督がこの砲台跡を作品に取り入れている。 |
砲台の下、女性でも砲台を持ち上げられる。 |
砲台のすぐ下、攻撃手がいるところ |
マジノ線の周辺 |
|
写真の奥はドイツとの国境 |
森の中に砲台跡があった。 |
この実を取って食べてみた。 |
|
Ronde de Pains(レンバッハ) |
|
マジノ線跡周辺にレストランはないので、近くの町、レンバッハまで約30分歩いた。大衆食堂があったので、ドアを開けたが、お婆さんが出てきて「コンプリ」と。定食、8ユーロと看板に書いてあったので、シメタと思ったのだが。彼女どうもひとりで切り盛りしているらしい。 テーブルは空いていたのだが、分けの分からない東洋人が現れて、「食事、デキマチュカ」なんて尋ねられたので、老齢のおばさんは面倒になったようだ。 そこからまた10分程歩くとレンバッハの街に入った。 ひっきりなしに客が入るパン屋があったので、昼食とした。サンドウイッチ、パン、コーヒーで10ユーロを越えた。 |
|
レンバッハの街 |
|
繁華街はここだけ |
このバス停でバスに乗り、それから列車でストラスブールに戻った。 |
食事をした後は、来たルートと逆をたどってストラスブールへ。 1日がかりの見学となった。ここを訪問する人は車ばかり。バスでやって来たのは、ワタシ一人だった。 行き当たりばったりのマジノ線跡旅行だったが、うまく行った。 奇跡みたいなものだろう。 |
|
西ヨーロッパ旅行記 目次 |