レンバッハ

マジノ線地下要塞(Four-a-Chaux)

2015年8月4日



ストラスブール駅

ストラスブール駅で朝食

「日本で、情報なし」
公共交通機関を使っての行き方は日本で情報を得られなかった。日本語のガイドブックには掲載されていなかったし、英語版のロンリー・プラネットには施設や歴史が数ページ紹介されているだけ。

ブログの旅行記も……ドイツから車で入ったというものだった。

施設のホームページをググってみると、公共交通機関はないと書いてある。ストラスブール観光局にメールを出しても、ホームページと同じ内容の回答が来た。

ストラスブールを本拠地とした日本語観光案内ホームページや日本語可のホームページに照会しても梨の礫だった。

コーヒーとクロワッサン
「観光局で情報収集」
ストラスブールに到着して、すぐに観光局へ。
「ストラスブールから車で行くしかないですよ」
「タクシーだと、いくら位ですか?」
「少なくとも、往復、350ユーロでしょう」
お嬢さんはこう答えた。それで言い方を変えてみた。
「レンバッハ(マジノ線のある小さな町)へは公共交通機関で行けますか?」
レンバッハへ行ければ、そこからタクシーを捕まえられるかもしれない。でも、タクシーがあるかどうか?
「ストラスブールから鉄道でWissembourgまで行ってください。そこからレンバッハまでのバスはここでは分からない」
「Wissembourgからレンバッハまでは、何Kmですか?」
「おおよそ、10Kmね」
そうか、歩いても2時間半で行ける。帰りも歩かなければならないが。


ストラスブール駅、反対側ホーム
観光局でストラスブールからWissembourgまでの時刻表をもらう。びっくり。午前中に2本しかない。

行ってしまえば、何とかなるだろう。ストラスブールから電車に乗った。




Wissembourg駅に到着

終着駅に着いてしまった。さて、どうしよう。

写真でも撮るか。

どうしようかなと思いながら、駅舎を出る。
バスが止まっている。
「Four a Choux へ行きますか?」
「行くよ」
オー、何たる幸運。
「発車時刻は?」
「5分後だよ」
「Four a Choux で下ろしてくださいね。帰りのバスの時刻は分かりますか?」
「これだよ」
時刻表を見せて、説明してくれた。「いいかい。午後は1本しかない。3時56分発のバスがある。これを逃したら、歩いて帰らなきゃならないよ。分かった?」
「分かりました」
「3時56分発のバスだ。歩いて帰るようなことにならないでね」



国境に向かって進むバス!
畑の中をバスは進んだ。
乗客はワタシ、1人。タクシーと同じじゃないか。それで2ユーロだなんて。気持ちに余裕が出てきた。



Four-a-Chauxのバス停に到着

20分でバス停に到着

標識が出ていた。バス停から歩く。



Four-a-Chaux

戦車が待っている。

ここに案内窓口がある。



地下要塞見学(7ユーロ)は英語とフランス語グループに分けて行われた。

ここは案内所からしばらく歩いた高台にある入口。両脇には対戦車砲、機関銃が備えつけられていた。下の写真はその跡。

厚い扉を開けて、中に入る。ひやりとする。すぐ脇には昔のままの空気清浄装置が作動している。当時のハイテク機器かもしれない。




地下道

地下通路、両脇に部屋がある。

小型運搬車の線路が走っている。

巨大な地下要塞を構築したものだ。

インクライン
要塞内は13度。
内部は寒い。13度だとのこと。寒いのでジャンパーを着る。

直線の廊下は長い。両側には指令室、兵士の部屋、食堂、病室、弾薬庫などが揃っていた。巨大な要塞の内部を歩いて見学。時間は1時間半だった。


兵士のベッド



砲台跡

地表に出ている砲台跡

宮崎監督がこの砲台跡を作品に取り入れている。

砲台の下、女性でも砲台を持ち上げられる。

砲台のすぐ下、攻撃手がいるところ



マジノ線の周辺

写真の奥はドイツとの国境

森の中に砲台跡があった。

この実を取って食べてみた。



Ronde de Pains(レンバッハ)
マジノ線跡周辺にレストランはないので、近くの町、レンバッハまで約30分歩いた。大衆食堂があったので、ドアを開けたが、お婆さんが出てきて「コンプリ」と。定食、8ユーロと看板に書いてあったので、シメタと思ったのだが。彼女どうもひとりで切り盛りしているらしい。

テーブルは空いていたのだが、分けの分からない東洋人が現れて、「食事、デキマチュカ」なんて尋ねられたので、老齢のおばさんは面倒になったようだ。

そこからまた10分程歩くとレンバッハの街に入った。
ひっきりなしに客が入るパン屋があったので、昼食とした。サンドウイッチ、パン、コーヒーで10ユーロを越えた。



レンバッハの街

繁華街はここだけ

このバス停でバスに乗り、それから列車でストラスブールに戻った。


食事をした後は、来たルートと逆をたどってストラスブールへ。
1日がかりの見学となった。ここを訪問する人は車ばかり。バスでやって来たのは、ワタシ一人だった。

行き当たりばったりのマジノ線跡旅行だったが、うまく行った。
奇跡みたいなものだろう。








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