タイ、ノンカイ
メコンを越え、ラオス入り

1994年5月



バンコクから列車でノンカイに到着

ノンカイ駅にて
タイとラオスを舞台にしたスパイ小説を読むと、こんな風景描写がある。

夜、バンコクのホアランポーン駅を発ち、翌日の早朝、ノンカイに降り立つ。サムローで国境の渡し舟まで行き、国境のメコン川を越える。革命軍の尾行者がぴったりとCIAのスパイに張り付く。

そんな光景は終わってしまった。ベルリンの壁だって崩壊したのだから。

さて、ジーゼル機関車に牽引された列車は、翌朝、7時30分にノンカイに到着した。駅前の埃っぽい食堂で、カオ・ソーイで腹ごしらえをすませます。さて、船着場までサムローの運ちゃんと交渉だ。



国境の風景

国境大橋がオーストラリアの援助で建設中だった。

国境を行き来する舟



国境越え

タイ側の出国ポイント
国境でタイの出国手続きをすませる。急な階段を下り、屋形船でしばらく待つ。客が集まったところでラオスに向かう。

ラオス川の岸壁の階段がすぐに現れる。たった10分で到着だ。
「いいじゃないか」
思わず飛び跳ねてしまう。ラオスのイミグレーションは緑色のぺらぺらの軍服を着ているからだ。中国の軍人と同じ色じゃないか。北朝鮮とも同じだ。まさに共産主義国のカラーだ。そんな人々が出迎えてくれるとは嬉しい。

小舟が国境を行き来する。



ラオス行きボート
ラオスに入国すると、ソ連製の重量感のあるボルガが待っていた。経済性なんて資本主義国の悪しき慣習だ。ボルガを見なさい。ガソリンを喰いまくって走るのだから。何か問題でも? そんな感じだ。

ラオスはワタシが勝手に歩き回るのを許さないのだ。とにかくホテルまでは送りたがる。それで、ボルガが待っていた。

ラオス人は寡黙なのか。余分なことは言わない。ホテル名を確認しただけ。なかなかいいじゃないか。ぺらぺらと余計なことばかり話して、肝心なことを忘れてしまうより、誠実感がある。

ラオス川を見る。



建設中のタイとラオスを結ぶ橋




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