自転車で溢れる都市

もぐり込み、タイ人ツアー「シルクロード 11日間」に参加!
1993年9月21日〜10月6日




昆明到着まで


中国南西航空機内は女の戦い


昆明空港は新しくなり、コンピューターも導入された。だから? 出入国に要する時間が増えた。
タイ人のツアーに参加した。
バンコク発の中国シルクロードツアーである。参加者はもちろん、タイ人ばかり。

バンコク発昆明行きの中国南西航空機はすでにチェンマイ上空である。

スチュアは怒っている。
乗客がお茶を飲みたいと、無理難題を言うからだ。何でわたしがあんなエコノミー・クラスのタイ人にお茶を何度も運ばなければならないの。わたしの父は党の幹部なのよ。

むっとした表情である。タイのおばさんが何度コールボタンを押しても無視している。ビジネスクラスではスチュアードが制服を着たまま鼾をかいている。バンコクで羽を伸ばしすぎたのだろう

タイのおばさんはスチュアの不快さを気にしない。わたしがお茶を飲みたい。だからコールボタンを押すの。相手の気持ちを察するという言葉が辞書にないタイと中国。戦いは始まっている。

タイのおばさんは年がいっているだけに、世間慣れしている。二人組の小柄な姉妹は70歳を超えている。三十年以上も前、上海からバンコクに移住してきた。色鮮やかなシャツを着て、お茶、コーヒーと交互にスチュアを呼び続ける。

もうタイ側の勝利は見えている。貫禄が違うもん。中国側が暴力行為に出なければいいのに。一発触発の危機は、ジェット機が昆明国際空港に到着したことで回避される。



昆明市内は自転車ばかり!


朝と昼、そして夕方の自転車はすごい。
蚊が集団で動き回っているようだ。




昆明駅周辺

昆明駅


昆明駅


遠くハノイまで続く鉄道。ゲージは1m。


通りのレストラン厨房



昼食の戦い

昆明のレストランで


「今日のスケジュールはどうなっているの?」
昆明のレストランに連れていかれたので、ツアーリーダーに訊く。
「知らない」
一児の母でもある彼女は冷たいのだ。
「旅行だから、スケジュール位はあるでしょう」
「心配しなさんな、気になるの? それじゃあ、昆明から同行する中国人のガイドに聞いてあげる」


心配しているのではない。今から30分後のスケジュールを知りたいだけなのだ。タイの人々はこれほど重要なスケジュールを気にもせず、昼食に夢中である。機内で食べたばかりだろうに。


丸テーブルに次から次へと料理がでる。
戦ったおばあさんは真っ先に箸をだす。ワタシの前に置かれた皿なのに、回転テーブルをくるっ、くるっと回し、自分たちの前にもってくる。くるくる、ぱくっ。くるくる、ぱくっ。もごもご。これは入れ歯なのでよく噛めない音。その上、ビールを注文し、ごくり。
「遠慮しないで、食べなさいよ」
ワタシに箸で指し示す。
「はい、ありがとう」


おばあさんは食事に堪能すると、他の人が食事中であろうがプラスチックの袋を取り出す。ご飯と気にいった料理を入れるのだ。機内で食事をしたばかりの眉氏の胃は昼食を受けつけないのだが、おばあさんの胃は間食を求めている。

にこっと笑って、プラスチック袋に食料を確保する。またですよ。箸が伸びる。


ツアー客はおばあさん2人にタイの老人が11人。娘さんは参加していない。そのうえ、料理はおばあさんに取られてしまう。スケジュールだってわからない。考える。昼は昆明だから、成都へ行くかな。いや、ウルムチかな? でも、昼食で時間を取っている。ここに宿泊するのだろうか?


夜の昆明駅



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