ハノイ

ホーチミン廟、ホアンキエム湖


2009年3月24日


宿泊しているホテルの前に日系旅行社、APTトラベルがある。一日2回、出入りしてあれやこれや尋ねるので、日本人のお嬢さんは嫌な顔をするようになった。質問は大したことではない。ピョンヤンカフェの所在地、サッカー試合の情報などである。これらの質問のどれにも答えてくれない。嫌われたのかなと、反省するのが日本男子のよいところだ。

代わりに何かツアーに参加しよう。それでハノイ市内ツアー、半日コースに参加した。これはホーチミン廟、ホーチミンの家、文廟を回るものだ。車で日本語を話すガイド付き、19米ドルもする



ホーチミン廟、ホーチミンの家

大統領府

ホーチミンの家

りりしい

池の反対側から見た家

ホーチミン廟へはすっと入ることができた。数日前にやってきた時と同じ長い列があったが、ガイドに言われるまま動いていると、もう、ホーチミンとご対面となってしまった。止まって遺体を見物することは許されないが、歩くことはOKだ。毛沢東の遺体は小走りにならないといけなかったが、ここは緩やかなのがいい。


ホーチミンの家を見学にきた生徒

ホーチミンは人気がある



一柱寺




文廟

ここにも生徒が見学に訪れていた。はきはきした動きが凛々しく気持ちがよい。ベトナムの未来は明るい、なんてことは言わないが……。ベトナム最初の大学だそうだ。中国に比べると小ぶりである。




昼食は路上レストラン

午前中で市内ツアーは終わった。ホテルの近くで昼食にした。おかずが料理されて店の前に並んでいる。それを皿によそってもらうのだ。牛肉と魚にした。3万ドン、180円だ。隣のテーブルでは、ワタシよりよい食事をしていた。その上にビールを飲んでいる。
「もう、仕事は終わったの?」
「うん」
笑いながら答えてくれた。
「ビールを飲んで、美味しいですか?」
「あんたも飲むかい?」
街の人はきさくである。



粗末な昼食

隣のテーブルではビール




街なかでチェーを楽しむ

ベトナムスイーツを楽しもうと、繁華街の方に行った。ベトナム楽食大図鑑という本に掲載されている店を探して歩く。どうも発見できない。その場所は空洞になっている。仕方なしに、ぶらぶらとホアンキエム湖の方に向かった。

チェーの店があった。そこでベトナムスイーツを頼み、ぼんやりと外を見ている。歩くのが億劫になってきたのだ。暑い!
 

チェーの店

1万ドン、60円

ベトナムらしい風景

物売りのおばさん


チェーを楽しんでいると、若い女性の2人連れが入ってきた。
「その饅頭は美味しい?」
「美味しいわよ、うふふ」
これだけの会話で、ずっと話していたくなる。若い女性が話し相手になってくれるなんて、久しぶりだ。いい気になって話をする。
「食べてみない?」
「えっ、いいのかなあ」
本当は食べたい。貰ってしまった。

饅頭を食べていると雨が降ってきた。
「今日、日本に帰るんです。ベトナム、大好き」
サンドウイッチを夕食にするために買いたい、というと、その店を教えてくれた。今までのベトナム人のあっち、向こう、というのではなく、2つ目の角から3軒目。右側よ。1個8000ドン(48円)。具体的な答えである。英語も癖がない。これで非常に好感を持ってしまう。最後に素敵なヒトに出会えたものだ。




ホアンキエム湖あたり

嬢さんたちに教えてもらった店はちゃんとあった。価格も言われた通りだ。そこでサンドウイッチを求め、夕食用とした。雨が降ってきたが、気にならない。すっきり気分がよくなって、ホテルに戻った。



空港へ


午後7時半。ホテルから空港に向かう。車をホテルにお願いしておいた。16米ドルを12米ドルに負けてもらう。

ベトナムの空港の免税ショップでは、値切り可能ということを発見した。ドンが残ったので、買い物をしたのだが、価格に少しばかり足らなかった。ここでは負けてくれたのだ。ますます、気分がよくなる。




ベトナム旅行で感じたこと

ベトナム、ラオス旅行は20日間だった。ちょっときつい旅行になってしまった。ベトナムのバンメトートでは空を覆い尽くすほどの蝶が舞っていた。カントーでは水上マーケットの大きさに圧倒された。記憶にのこるところである。

「メコンのほどりで」名越健郎著にこんなくだりがある。
天国にいるホーチミン主席がある日、後継者の治世を視察するため、ハノイにたってきた。ホー主席はファン・バン・ドン首相に尋ねた。
「諸君は私の遺言をどの程度実現したかね」
ドン首相が答えた。
「あなたの遺言は3分の1達成されました」
「3分の1とはどういう意味だ」
「あなたの最も重要な遺言”独立と自由ほど尊いものはない”(There is nothing more precious than independence and freedom)の3分の1.つまり9語のうち最初の3語、There is nothingを完璧に達成したのです」


このジョークのとおり、ベトナムは何もない。笑顔も、おいしい食事も、建築物も、インフラもない。あるのは植民地時代に建築された建物、戦争で捕獲したアメリカ軍のジェット機や戦車、到る所に捨てられたゴミ、ひとの懐を狙うスリ、ひったくりとホーチミン廟だ。そして、この国を支配しているのは戦争で敗れた国の通貨、米ドルである。

貧しい国、明るさも見えないこの国である。この国の人びとの上には暗雲が立ち込めている。つまり、社会主義人民共和国を称する思想である。この思想を取り去ってしまえば、加速度的な発展がやってくるだろう。



ガイドブックの評価

「地球の歩き方、ベトナム
大都市や人気都市、サイゴン、ホーチミン、フエ、ホイアンについては、記述が正確である。ただ、バンメトートの記述、地図は現行とはかなり異なっていた。また、レストランの紹介も好意的だと思う。どんなガイドブックを使用しても、最後は自分の責任で行動しなければならないことは、言わずもがなだ。

「ベトナム町並み観光ガイド」
サイゴン、ハノイ、フエ、ホイアンとぶらぶら歩くのに最適な本である。この本を読みながら、建築物を見ると、一層、興味がわいてくる。ただ、例示的にでも、動く順路も記載してあれば、一層分かりやすいのだが。
 サイゴンの「ラマン」を撮影した高校を紹介してあるのだが、明快には記載してないため、探しあてるのに多くの時間が必要になった。

「ベトナムめし楽食大図鑑」
有名な本である。朝ごはん、昼ごはん、おやつ、晩ごはんと並べてあるのは画期的だ。しかしである。旅行に持っていくと、「今日はこの地域でお洒落なレストランはないかな?」。こんな具合に調べることが多かった。

地図が小さく、レストラン名が記載されているだけなので、いちいちページをひっくり返し、店の住所やデータを調べなければならず、使いこなせなかった。また、ベトナムのレストランは移転や閉店が激しいのか、見つけかたが悪かったのか、探し出せないことが多く疲弊した。こういった点を改善していただければ、使いやすくなるだろう。



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