ワールドカップ フランス大会

トゥールーズ

日本 0−1 アルゼンチン


(1998年6月11日〜16日、フランス)



試合当日の朝、カルカッソンヌからトウルーズへ


カルカッソンヌのホテル前で、出陣!
試合のその日。朝早く、カルカッソンヌのホテルからトゥールーズまでツアー・バスで走った。




漂流するサポーター、道路の真ん中でほほ笑むNHKの久保アナ
ツアーバスの運転手はモロッコ人だ。我ら添乗員と二人だけで英語で話し続けている。別に、その内容をツアー客に知らせるわけでもない。暇つぶしか。
「入場券が足りなくなったのは、アフリカ人のサッカー協会の奴らが横流ししているからだよ。高く売ってカネ儲けしようとしているんだ」
「これだけ多くの日本人がチケットを入手できないんだ。トウルーズの市長だって、最後の30分はスタジアムを開放するさ。そうでなきゃ、おさまらないよ。心配するな」

ツアー客が二人の会話に割って入る。
「あのー、切符はどうなりました?」
「入手に全力を尽くしています」
きっぱりとツアー客の照会をはねつける。われわれは、がっくりと首を折ってしまう。





とうとう一枚20万円でけりがついた。一枚20万円。周囲の日本人が本物かどうか確かめろ、なんて声援を送る。


添乗員は試合が終わったあとの集合時刻と場所を告げると、どこかに行ってしまった。仕方なしに、市内をうろうろする。
 
会場に入れない日本人が漂流している。外国人から切符を購入する日本人を、日本人が取り巻いてみている。日本人は値切る。外国人は吊り上げる。



日本人サポーターは日本サッカー協会からも見放され、FIFAからも無視され、トウルーズ市からも突き放され孤独である。大勢いるのだが、それぞれ何の力も発揮できないでいる。その光景をNHKの久保ジュンさんがぴっちりとしたパンツ姿で道路の中央に立ち、にこにこしながら立ってみている。彼女は何が楽しいのだろう。何が嬉しいのだろう。日本人の漂流が楽しいのか? あるいはいつものボケぶりを発揮しているのか?




競技場へ続く橋の上で、茫然とたたずむ日本人女性。気のどくです。



オーロラビジョンで観戦する日本人たち

とうとう試合会場に入れない日本人はテレビで応援することになった。広場に大型スクリーンが設置され、みんなで応援しようというわけである。某大旅行者はテント張りのテレビ応援席を設置した。

テレビを見ず、諦めきれないまま競技場に近づき、境界線の橋の近くをうろつく者もいる。そこからはスタジアムの外壁も見えないが近い気がする。向こうから声援が聞こえてきそうな気がする。時間はどんどん過ぎていった。



試合が終わるやいなや、バスでチャトールーへ
添乗員はフランス語ができないので、食事の時間などのホテルとの打ち合わせは我々の仕事となってしまった。添乗員は見ているだけだった。

翌日、パリからキャセイパシフィックの便で香港乗りかえで帰国。



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