モルディブ

マレ、しっかり者の日本人女性


1994年2月




こういった船で空港からホテルのある島に行く。
空港とマレは別の島にある。
空港に到着し、伝馬船に乗ってホテルへ。潮の匂いがいい。別世界である。

マレの人口は5万人。珊瑚礁を砕いて敷いた道路は白く美しい。家に入ると、庭が同じように珊瑚の砂だ。清潔感がある。




首都、マレ、ドーニで溢れる。
マレの目抜き通りでレストランを探す。
ラマダンでも1軒くらいは開店しているのではないかと期待している。だが、この回教国は非情だ。私の飢えを無視する。

小さな店が連なった通り。土産物屋もある。白い壁に緑色が鮮やかだ。熱帯の太陽は何もかも鮮烈な色合いにする。一軒で日本人女性がTシャツを選んでいる。
「いらっしゃい」
日本語だ。
「えっ、観光客では?」
三十歳くらいの女性が微笑む。
「Tシャツがたくさんありますね」
「はい、主人がデザイナーなので」
モルディブ人の奥さんとのこと。夫のことを話し始める。
「彼が東京に留学中に知り合ったんです。Tシャツのデザインは全て夫のものなんですよ。モルディブ中に卸しているんです」
「……」
「苦情はひとつもありませんから、品質はいいんですよ」




時々、道路まで波がのぼってくるらしい。
一息つくひまもない。
「叔父はリゾートを、夫の弟は公務員なんですが別のリゾートを経営しているんです。子供ですか? 女の子がひとりです」
「日本人はマレにひとり、寂しいのでは?」
「いや、そんなことはありません」
彼女はしっかりと返事をしたのだった。


土産物屋



マレの繁華街



マレの海
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