成都からラサへ |
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四川省成都を出発した中国南西航空のボーイング機は順調な飛行を続けている。 眼下には雪を被った山々が一面に広がっていたが、今は草木もない岩と土を露出した山だ。チベットはその先である。 |
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ラサ空港 |
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ジェット機はわずかばかりの平地に着陸した。午前9時のことである。これで海抜500メートルの成都から、3800メートルのラサまで一気に駆け上ったことになる。地が天井にくっつきそうなほど近い。 ゆっくりとタラップを下りる。ゆっくりと、ゆっくりと。これが肝心なのだ。高山病にかからないようにするには、慌てて走らないことだ。 |
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滑走路の脇に群集が固まっている。どうも、外国人観光客が右往左往しているようだ。これから、わたしが搭乗してきた機を使って、成都まで帰る客たちである。 ここには待合室などない。余生を楽しみに、チベットまでやってきたといった風情の白人たちである。団体旅行の白い服装の集団が寒さのゆえか、足を踏み鳴らし堪えている。 |
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ジェット機をおりた人にまじり歩いていく。3本の鉄条網がある戸をくぐると、もう空港の外である。日本ハムなんてロゴをつけた車が待っている。 さて、ラサまでは遠い。トイレだ。 紺色の作業服を着た男たちが、一列になって座り込み、わたしをじっと見ている。仕切りなどというこまいものはない。 |
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ラサ市内へ |
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ラサまでは3時間かかるらしい。まだ、道路が整備されてから年月がたっていないようだ。 土つくりの民家がある。チベット人が稲を脱穀している。すべて手作業である。 |
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