昆明

工人文化宮から東風東路 街歩き

1992年9月



昆明到着まで、中国の航空機で!
中国南西航空のスチュアがにこりともせず、セロファンに包まれたパンとパック入りジュースを乗客に投げていく。まるで乞食に与えるようだ。

仕方がないことかもしれない。きめ細かいサービスをすることで定評ある日本の航空会社でも、Yクラスの乗客は「カーゴ」扱いなのだから。

ビジネスクラスに大企業に勤務する風情の乗客がくれば、スチュアはつきっきりで世話をする。挙句のはてに、デートの約束までしている。仕事中だろ。私のような中年を無視するな。

さて搭乗しているのは中国の航空機だ。資本主義の悪しきサービス水準を、スチュアは真似しないで欲しい。

わたしはスチュアよ。社会主義国では党の高級幹部にコネのある人か、幹部の娘しかスチュアになれないの。わたしは身分の高い人間なの。日本のように全ての人民が平均的な暮らしをしている国と違って、ここは社会主義国。階級がしっかりと存在するの。わたし偉いのよ。

突然、右頬を殴られる。
窓際の客が新聞を広げた拍子に、ピンク色のわたしの頬を殴ったのである。それから、男は何度も新聞紙を広げ、腕をわたしの顔に突きだす。

また左腕を伸ばす。軽く、わたしの皮膚を擦り、目の前に新聞紙を広げる。わたしの頬がピクピク動く。

わたしは慣れてしまっている。腕が突き出されると、顔をひょいと避ける。出す。避ける。出す。避ける。疲れるのだ。



工人文化宮のあたりで
昆明に到着すると、出迎えのガイド氏がいた。
脇に、佐川急便とボディに大書きされている自動車があった。



自転車部隊は行く


市内は自転車の群である。ちょうど昼食時。会社から自宅へ食事を取りに戻るのだろう。

女性はタイツやスカートでペダルを漕いでゆく。多くはハイヒールである。髪はアップだ。つま先にペダルをあて、器用に漕いでいく。



掛け合い歌
街を歩こう。公園で老齢の男女が歌を歌いながら掛け合いをやっていた。女性の方が優勢で、男性はギブアップしてしまった。

さて、アイスクリームでも食べながら一休みしましょうか。



街角

路地を入ると老人がタバコを楽しんでいた。

雲南料理店






果物屋
果物はどれも大ぶりだ。秤が古いのが印象的である。おじさんにポーズをとってくれとお願いすると、こうかいと機嫌がよかった。

海南島の椰子とでも書いてあるのだろうか



昆明飯店
ホテルの敷地を出ると、客引きがわっと寄ってくる。タクシー、土産物などのおじさん、おばさんたちだ。外に出るのが、億劫になるほどである。

ロービーは静かだと思っていたら、日本人が中国人を叱り飛ばしていた。
「お前らは、しっかり働かないから豊かになれないんだよう。日本人みたいに働け」と。
中国人はうつむいていた。
ロビーでコーヒーを飲んでいると、きれいな女性がカラオケに行かないかと言う。ついでに部屋番号を聞いてくるのだ。ホテルでも落ち着いていられない。



舞踊レストラン、1回目
民族舞踊はとても楽しかった。
異国情緒がたっぷりしていて、客をリラックスさせようとする気持ちに溢れていた。



舞踊レストラン、2回目
翌日も行ってみた。踊りが好きなんです。この日は少しクラシックぽい踊りだった。料理は酢が入っているようだ。下の写真は小鳥なのだろうか。




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