ブルネイの空港でガイドと落ち合うことにしていました。ところが、いないんです。他の乗客はいなくなってしまうし、一人でミーティング・ポイントで待っていても仕方がありません。 タクシーを拾うかと歩き始めたところで、イブラヒムさんがやってきました。イスラム教の白い帽子を被っています。ネクタイもなし。よれよれのズボンです。名前だけが、かっこいいです。16代のアメリカ大統領に似ているじゃありませんか。 ホテルに入ったあと、市内見物に出かけました。 「ここは名所だ」 「どこ?」 「この道路さ」 「ただのアスファルト道路じゃないか」 こんな会話をしながら水上集落に入りました。 |
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水上集落 |
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ボートに乗って集落に入っていきます。 どの家々にもサルタン、第一婦人、第二夫人の写真が飾ってあります。 「第二婦人は日本人の血が入っているのだ」 元客室乗務員だそうです。 「涼しくて住みやすいのだろうね」 「政府は陸に住めと、アパートを準備してくれるのだけれど、水上のほうがよいと移りたがらないのだよ」 イブラヒムは言います。 「イブラヒム、高給をとっているんだろ?」 尋ねてみました。 「まあね」 「どれくらい?」 「アメリカのブッシュ大統領位かな」 言うじゃありませんか。 |
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