ブルネイ

バンダルスリブガワンの水上集落

1991年12月




 
ブルネイの空港でガイドと落ち合うことにしていました。ところが、いないんです。他の乗客はいなくなってしまうし、一人でミーティング・ポイントで待っていても仕方がありません。

タクシーを拾うかと歩き始めたところで、イブラヒムさんがやってきました。イスラム教の白い帽子を被っています。ネクタイもなし。よれよれのズボンです。名前だけが、かっこいいです。16代のアメリカ大統領に似ているじゃありませんか。

ホテルに入ったあと、市内見物に出かけました。
「ここは名所だ」
「どこ?」
「この道路さ」
「ただのアスファルト道路じゃないか」
こんな会話をしながら水上集落に入りました。




水上集落
ボートに乗って集落に入っていきます。
どの家々にもサルタン、第一婦人、第二夫人の写真が飾ってあります。
「第二婦人は日本人の血が入っているのだ」
元客室乗務員だそうです。

「涼しくて住みやすいのだろうね」
「政府は陸に住めと、アパートを準備してくれるのだけれど、水上のほうがよいと移りたがらないのだよ」
イブラヒムは言います。

「イブラヒム、高給をとっているんだろ?」
尋ねてみました。
「まあね」
「どれくらい?」
「アメリカのブッシュ大統領位かな」
言うじゃありませんか。




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